世界には構造がある。
いや、正しくは、世界は構造的に理解されなければならない。
にもかかわらず、無分別な人は、ものや作品が持つ背景や構造を理解しないまま、良し悪しや好き嫌いを判断してしまう。
大事なのは作品の中に現れる構造を理解することだ。作者が作品に織り込んだ世界を、その徴候から読み取り再構成する。
ただ、絵画や写真といった多くの非時間的な芸術作品は、作品自体にその作品が持つ構造の徴候が十分に現れていないことが多く、作品に対して外的な情報(多くの場合は、作家の経歴やスタイル)を合わせて初めて構造が見て取れる。逆に映画や文学など時間芸術の場合は、十分に作品が自律している。
世界に織り込まれた構造を織り開くことなしに批評は難しいだろう。