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映画 ブルージャイアント レビュー

漫画が原作のアニメ映画『ブルージャイアント』。ジャズに憧れて独りで練習を続けた主人公 宮本大が、高校卒業とともに上京し、世界一のジャズ演奏家になるために、仲間を集めてライブを行う。

仲間になった雪祈が「ジャズは勝ち続けなければならない」と打算的なジャズを目指すのに対して、かっこよさを求める大はロマンチスト的な人物として描かれている。 それは、彼らが目指す舞台「SO BLUE」の支配人からも指摘され、大のロマンチックな面がジャズの優れたあり方であると評価される。

つまり、作中ではそうした個人のポテンシャルを発揮するロマン主義的なジャズが指向されているが、その一方で、ラストに「SO BLUE」で演奏するその前日に雪祈が事故に遭って出演できなくなってしまう。 こうした展開は、「必死に目指してきたものが一歩手前で偶然の力によって到達できなくなってしまう。そうした逆境の中でも挫けずに前に進む感動ストーリー」を演出する紋切り型の展開のように思える。私たちが見たいのはそんなものではないはずだ。 そんな小手先のテクニックで感動を演出するのではなく、3人が努力してきた結果を十全な形で正面から表現しきることに立ち向かうべきだったのではないだろうか。たしかに音楽の魅力を映像で表現することは難しいと思うが、もし不完全だったとでも、実直に演奏する玉田の姿勢も作中で評価されていたはずだ。

どうも映画作品自体は「ブルージャイアント」にはなれなかったみたいだ。