何かの成果を残すためにはそれをこなすだけの能力が必要で、その能力をつけるためには一定の時間が必要だと思い込んでいる節がぼくにはある。
思い込んでいるというか、何かしらの分野で成績を残すためには、そうせざるを得ないことを経験的に知っていると言ったほうが適切かもしれない。
「一万時間の法則」というものがある。何の分野であれその分野について一万時間をかければ、その分野でそれなりの成果を残せるだけの知見をつけることができる、というものだ。
これは、「自分には才能がない」と思っている人にとっては朗報だ。才能など関係なく、単に時間をかければ成果を出せるのだから。たとえば、1日8時間で平日週5日かければ、250週間=約5年で一万時間は達成する。つまり、5年で何かの成果を残せるようになれる。
では、「何か専門的な成果を残すためには一万時間必要」だろうか?一万時間をかければ成果を残せるは真だが、それ以外に成果を残す方法はないのか? ついそう考えてしまうかもしれないだろうが、おそらく他の方法はあるだろう。時間をかけないで成果を残すことはできる。そしておそらく、そういった時間をかけないで成果を残す能力を人は「才能」と呼ぶ。
「才能」という言葉は、何か経験的には超えられない先天的な能力のようなニュアンスで使われることが多く、「がんばってもどうにもできない」ものを表しがちなのであまり好きではない。 けど、「経験をショートカットできる何か」として使えるなら「才能」をもっと好きになれるかもしれない。