群馬県の高崎・前橋に行ってきたのだが、思いの外現代アートの流れがあって面白かった。
まずは今回知ることのできたアート関連施設について記載する。
高崎のアートギャラリー
VIENTO ART GALLERY
中之条ビエンナーレで展示のあった作家を扱うギャラリー。高崎の問屋町の中にある。
中之条ビエンナーレについては名前は知っている程度であまり内容を知らなかったのだが、2007年から続いてるとのことで、地域芸術祭としては比較的歴史が古くて驚いた。
ちなみに、改めて調べてみると、有名どころの芸術祭の初回開催は
となっており、大地の芸術祭、横浜トリエンナーレがずば抜けて早いが、2010年の芸術祭ラッシュの前に開催している中之条ビエンナーレは少し早め。
rin art association
今回は展示替え中で訪れておらず詳細をわかっていないので割愛。
前橋のアートギャラリーや関連施設
アーツ前橋
今回は展示替え中で見れなかったが、前橋市の公立美術館。建物もかっこいい。
https://www.artsmaebashi.jp/?page_id=531
白井屋ホテル
創業300年の白井屋という旅館の廃業後、メガネでおなじみのJINS代表の田中仁氏がアートホテルとして再オープンさせる。
ロビーまで見させてもらったが、外観内装建築スタッフの佇まいどれもがかっこよすぎて衝撃を受けた。このホテルを訪れたあとは、前橋の繁華街にある一つ一つの店舗がアート作品かのように見えるくらいに。
まえばしガレリア
1階にギャラリースペースとフレンチレストラン、2階以上が居住スペースになっている。
ギャラリースペースは2つあり、1つはタカ・イシイギャラリーが専有。もう1つは、小山登美夫ギャラリー、rin art association、アートオフィスシオバラ、マキギャラリーがローテーションしているとのこと。
東京にも拠点のあるギャラリーの名前が複数並んでおり、地方都市でこれらのギャラリーの展示が見られるというのはシンプルに驚く。
建物の雰囲気としては、寂れかけた繁華街の中に現れるモダンな建築物は、蔦に覆われているために古さも醸し出しており外観は周囲に溶け込んでいる。一歩踏み込むと六本木のアートコンプレックスと遜色ないホワイトキューブが現れ、一気にいつもの現代アート空間に連れ出される感じだ。と、書きながら思ったが、六本木もけっこうな繁華街なので似たようなものかもしれない。
https://www.towndevelop.jp/1f-maebashigalleria
直近のアート関連歴史
このあたりをまわっていると、おぼろげに群馬のアートシーンの流れが見えてくる。 改めて、主に今回触れた施設などを中心に歴史を整理する。
- 2007年 中之条ビエンナーレが始まる
- 2013年10月 アーツ前橋ができる
- 2018年? VIENTO ARTS GALLERY(オープンタイミングは明確には調べられてない。HP に載っている最も古い展示の案内が2018年。)
- 2020年12月 白井屋ホテルをJINS代表の田中仁が再オープンさせる
- 2023年5月 まえばしガレリアオープン
(追記) まず一つは、中之条ビエンナーレ開催による群馬県のサイトスペシフィックなアート活動の流れ。中之条町は高崎市からは少し北に位置しているので、高崎市自体の場所性が中之条とどれくらい影響しあっているのかはまだよく分かっていないが、VIENTO ART GALLERYがあることで中之条ビエンナーレの流れを高崎市に持ち込むことはできていそうだ。
次に前橋市の方だが、2020年に白井屋ホテル、2023年にまえばしガレリアができたことでアーツ前橋を中心にアート関連施設が3つ並ぶことになる。これにより、前橋の「現代アートの街」感が非常に強くなっているように思う。 流れはでき始めたところで、今後さらに展開していくのが楽しみになる。
その他、周辺情報
まとめ
あまり群馬のギャラリーなどについて前情報無く訪れてみたが、いざ現地で話を聞いてみると、それなりに流れができていて興味深かった。 歴史ある中之条ビエンナーレの流れや、前橋の強度ある現代アート施設がこれからの群馬のアートシーンの土台になっていくのかと思うととてもわくわくする。
今回訪れることのできなかった施設や、中之条ビエンナーレ自体にもまた足を運びたい。