初めておばあちゃんに誕生日プレゼントを贈った。もしかしたら小さい頃に贈ったことはあるかもしれないけど、少なくとも大学に行くことになって家を出て以降、一人前の「大人」として贈ったのは初めてだ。
今までプレゼントを贈ることを避けていたわけではない。 おばあちゃんのことは好きだし、プレゼントを贈りたい気持ちはある。
プレゼントを贈らなかったのは自分にとってのポリシーというか、「自分自身を十分に満たせていないのに他人に贈りものをしたところで、本当の意味で喜ばれることはない」という考えがあったからだ。
こちらの状況は相手にはわからないのだから、こちらの状況に関係なくプレゼントを贈るべきという考えがあることもよく理解している。だから、家族ほどは近くない関係の人には、こちらの状況関係なく必要な場合にはプレゼントを贈る。
ぼくがプレゼントを贈るよりも自分の状況の改善を重視するのは、プレゼントを贈る相手が家族的である場合に限る。家族的というのは、血縁関係があると言うことではなく、すでに無条件の永遠的な関係性が認められていて、さらにお互いが健康に暮らすことを願っていることを指す。
家族的な関係においては、お互いの愛情表現は相手に好意を示したり相手を大切に扱うことが第一ではなく、自分が自立し相手にそれを示すことが第一だと思っている。
そして学生時代から今までのあいだはそれを示すことに自身を持てなかった。まだ自分は十分自立できてないと思っていた。おばあちゃんが喜んでいる様子を見て、自分がおばあちゃんに誕生日プレゼントを贈ったんだということを再確認したときに初めて、「この瞬間のために社会人として頑張ってきた」ような感覚を覚えて自立したと言うことに少し自信を持てるようになった。
なんとなくさいきん、自分は何も成し遂げていないような悲観的な気持ちになることが多かったが、意外なところで自分もそれなりに前に進んできたということに気づかされた。
おばあちゃん誕生日おめでとう。